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2004年10月19日
26日目──出だしの音は?
今日は割とピッチが安定してる。ような気がする。とんと弱気である。しばらく練習して、大分良くなったかと思い、改めて教則本付属CDの模範演奏を聴き直すとがっかりする。
ところで前々から薄々気が付いてはいたんだけども。テルミン演奏者って、曲の出だしの音をどのように出しているんだろうか?
いや、ボリュームアンテナから手を離せば、音は鳴るんだが・・・。問題はピッチを操る右手。僕の場合、演奏の途中であれば、次の音はだいたいこれくらい指を伸ばす、という感覚が身につきはじめてるので、そんなに酷く外すこともないし、外してもあとは実際に音を聴きながら正しいピッチ方向へ補正できる。でも曲のド頭。一発目の音は、それが出来ない。鍵盤も指板もない3次元空間の、ピンポイントの場所に勘で狙いを定めなければいけない。
今の僕には、まったくお手上げ状態。
クララロックモアというテルミン黎明期からの演奏家で、いまだ彼女を超える演奏家はいないのでは?というくらい凄いテルミン界の神様みたいな人がいる。彼女の貴重な演奏を収めたDVDを見ると、やっぱり、当たり前のように何の苦労もなく一発目の音を出している。
それどころか、このばあちゃん(お年を召されてからの映像だった)、今回注意深く見てて気が付いたけど、どうも演奏中にチューニングを変えてる節がある!チューニングっつっても、テルミンの場合アンテナの反応範囲の幅を変更するだけなので、1ヘルツ単位のチューニングが出来るワケじゃない(むしろそういうのは演奏時の指の加減でどうにでもなる)。だから、今日は音が高めに出るみたいだから低くしよう、ってチューニングではなく、ドレミの位置を全く変えてしまうチューニングである。
さらに観察すると、曲の途中でフレーズの音域が高音にシフトする場所があるとき、その手前でさっとチューニングを変えて、高音フレーズが演奏しやすいドレミの位置にしているご様子。もちろんその間は、ボリュームアンテナに手をつけて音が出ない状態にしている。チューニングを変えて、出だしの音が正確なピッチで出せる、というのは、もはやどうかしてるとしか言いようがない。天才は違う。
付け加えるなら、クララ女史が使用しているテルミンは、バリバリビンテージもので、真空管とコイルの塊である。無茶苦茶不安定である。チューニングつまみを回すにしたって、その日その時でだいぶ反応が変わるハズである。
いつか出だしの音が、バシッと決めれる時が僕にもくるのだろうか。
甚だ不安。
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